「お金」に負けない。なくても貧乏に負けない。あっても誘惑に負けない。

暮らせるだけのお金と、時々家族が笑顔になるための楽しみが持てるお金があれば、それでいい。

45歳で無職になり、貯金の8割を使い果たしたところから「負けない」人生を実践して再起した私がお金に対して思っていることです。

あの当時の私は、間違いなく「貧乏」でした。

だって、そうですよ。無職だし、貯金はわずかだし。。45歳で無職となると、いつ安定した仕事が見つかるか分からず、はたまた見つかる保証だってない。

「貧乏」だった私は、いつも心臓がチクチクと痛んでいました。

お金って、生活を回していくために大切なものですよね。なくては困る。

かといって、ありすぎると心に迷いが出て過信をすることになるから厄介です。

でも、ないと本当に辛いものです。定期的に入ってくるお金がない生活って、かなりシビアです。仕事があったときは考えずに買っていた日用品一つも、かなり考えてから買うことになったり。子供達にお菓子を買ってあげることが難しくなったり。

お金がないと、生活だけじゃなくて、心まで貧乏になっていくことに、一番困りました。

だから、その生活から抜け出そうと、就職活動をして定職を得たときには、本当にほっとしました。

これが、私の貧乏体験ですが、一方で、ハイサラリーでかつリストラによる退職金で思わぬ大金を手にした私の失敗についてもお話しておきたいと思います。

お金に負けない。多いときも少ないときも

私は、リーマンショックの時に事業縮小によりリストラされました。

それはショックな出来事でしたが、よかったこととして、退職金が上乗せされて払われたということがありました。

さらに、日経平均が7,000円台をマークするという空前の同時株安でしたから、私は、日本株の投資信託に退職金の一部をつぎ込み、つぎ込んだ額の2倍に増やしました。

思わぬ投資に成功したものだから、私は、すっかりちょっとしたプチお金持ちでした。

リストラされた後についた仕事では、リストラ前の給与よりも随分低い水準でしたが、生活レベルは落としませんでした。

そして、貯まっているお金があるから、私は大丈夫と思っていました。

そんな中で、苦手な仕事を長年勤めたことのストレスで、躁うつ状態になり、躁の時に「自分は何でもできるんだ」と思いこむ「万能感」に負けてビジネスに手を出し、貯まっていたお金の8割を散財。せっかく増やしたお金が、2割にまで減ってしまったのでした。

これ、今振り返ると私は「お金」に負けてしまったのです。

本当は、大切にしなければいけなかったお金なのに、お金なんて使えば終わるものなのに、自分の力で増やせると信じて投資してしまった。

「お金」に負けた、そうとしか考えられません。

つまり、「お金」は多ければよいというわけではありません。「多くても使えばなくなる」そんなシンプルなことを忘れないでください。

あなたは、私のようなバカなことはしないと思います。

でも、たとえば、そこに心の弱さとか、健康不安とか、ストレスとか、そういうものが絡むと、お金に対しても正常な判断ができなくなってしまうというのが実感です。

世の中を見渡してみても、事業が成功して大きな財を手にした頃に、失敗して0に戻ってしまう、それどころか、借金を負ってしまう話は、後を絶ちません。

ですから、あなたも、お金があるならば、あるからこそ、お金に負けないでください。

お金とニュートラルに付き合う

無職になり、貯金を2割にまで減らした私は、そこでようやく気持ちの安定を取り戻しました。

失ったものの大きさに打ちひしがれそうでした。

でも、それもこれも、全部自分でやったこと。泣いていても仕方がありません。出て行ったものは、もう戻りません。

ですから、気持ちの安定を取り戻してからは、お金に対してもニュートラルに、客観的に、このお金であれば、どういうふうに暮らしを立てていくことができるだろう、と考えました。

・入ってくるお給料の額
・生活に必要な額
・子供達の教育に必要な額
・楽しみのために使える額
・将来のために貯める額

そんなふうに、お金を色分けして、堅実にお金と付き合い、額が多い少ないということに一喜一憂せずに、暮らすことにしました。

そうしたことで、生活を立て直し、入ってくるお金に感謝し、出ていくお金にも意味を見出して暮らせるようになれました。

さらに、会社員の傍ら、小さく続けていたビジネスからも、だんだんとお金が入ってくるようになり、 そのお金もまた、私や私の家族の暮らしを支えてくれる貴重な糧になってくれています。

ですから、あなたも、お金に負けずにニュートラルに付き合うことを心がけてください。

少ないとしても、そのお金がもたらしてくれるものに感謝する。そうして、本当に足りないならば、仕事を増やして入ってくるお金を増やすとか、出ていくお金に無駄がないのかを見直してみてください。

逆にお金が多い場合こそ、正念場です。気持ちを引き締め、必要以上に多く出ていくことがないように注意をして、大切に使っていきましょう。