「焦り」に負けない

このままじゃいけない。
こんな歳なのに何してるんだろう。
早く仕事を見つけなくちゃ。
早く病気を治さなくちゃ。
早くこんな生活から抜け出さなくちゃ。
早く借金を返さなくちゃ。
早く、早く。。
何やってるんだ、自分。。

などの焦り。

そんな焦りに追い詰められていませんか?

人生には色々な時期があります。本当はこんなふうにしたいわけじゃなかったし、こんなふうになるなんて想定していなかった。。ということもあります。

だから、そこから抜け出そうと「焦る」。

でも、「焦り」は良い結果を生むことは少ないというのが実情です。それは、先人の経験や、自分自身の経験からもわかっているはずなのに、「焦り」に負けそうになるのが、普通の人間でしょう。

あなたも、今、「焦り」に負けそうになっていませんか?でも、負けないで。焦りに負けても良い結果には結びつきません。

では、どんなふうにして「焦り」に負けないようにしたらよいのでしょうか。

「果報は寝て待て」の心で焦りに負けない

「果報は寝て待て」ということわざがあります。意味としては、「幸運は焦らずに、ゆっくりと好機を待つのが良い」というものです。

このことわざは、「棚から牡丹餅」のように「怠けていても幸運がやってくる」という意味に取り違えられることがありますが、本来の意味はそういうものではありません。

その由来は、仏教の考え方にあるそうです。

というのは、仏教では「因果応報」という考え方があり「果報」はそこに由来することからきています。仏教の「因果応報」とは「前世で行ったことによって、のちの世、あるいは現世で受ける結果」のことです。それを「報い(むくい)」といって、善行や悪行の結果として得るものが「報い」です。「報い」には、良いものも悪いものもあります。

ですから、「果報は寝て待て」の本来の意味は「やるべきことをやったのならば、後の結果はジタバタしても仕方がない。あとはゆっくり待つしかない」ということです。

ただ、一般的には、そこから転じて「果報」は良い意味で使われます。そのため「果報は寝て待て」の意味は、「一生懸命努力をしてやるべきことをやったのならば、後は待つしかない。きっと良い知らせがある。心穏やかに待とう」ということになります。

ですから、やるべきことをやったのならば、ジタバタせずに心を落ち着かせ、焦りを重ねて余計なことをしたりしないようにじっくりと日々を過ごすのが良いと思います。

「待てば海路の日和あり」のように焦らず待つ

また、状況がどうにもならないときは「待てば海路の日和あり」ということわざを言い聞かせてみるのも良いです。

このことわざは「今は天候が荒れて舟を出すには良い時ではないけれど、落ち着く時もあるのだからじっくりと待とう」ということ。これを、人生に当てはめてみるのです。

今は大変な時かもしれません。でも、そんな時ばばかりは続きません。こんなときに、敢えて荒れた海原に出る必要はないでしょう。

じっと待つ。荒れた海に投げ出されそうになったとしたら、帆を降ろし、波にもまれても耐える。凪を待ちましょう。

焦ってジタバタしても、沈んでしまうだけです。

やるべき努力はやるべきですが、あまり焦らずにじっくりと今をやり過ごしていきましょう。

「焦り」に負けず就職活動をした結果、学生時代に取得した資格を生かして一度諦めた憧れの職業に就くことができた

私も、どうにもならない時期がありました。無職になって、何通も履歴書を送っても良い返事が来ない時。焦ったけれど、仕方がありません。自分のキャリアの棚卸をして、ハローワークへ通って求人を探し、応募を続けるしかありませんでした。

「まだ仕事が決まらない。。。」そう思うと焦ります。そして、条件は悪いけれど、いつも募集しているような、たぶんブラックだろうな。。と思う求人に応募してしまいそうになったこともあります。

でも、たぶん、採用されても続かない。そうしたら、また中途半端なキャリアを履歴書に書かなければならなくなるし、年齢も重ねてしまって余計に不利な状況になる。だから、ここは焦ってより悪い状況に自分を追い込まないようにと、ぐっとこらえて、「ここならがんばれる」という職場を探して応募するようにしました。

そうしたところ、学生時代に取得した資格が生かせる仕事を見つけることができ、応募したところ、45歳で未経験にもかかわらず、その資格がある人を探していたということで、トントン拍子で決まってしまいました。

その職業は、大学を卒業したころは、環境が整っておらず、新卒採用はほとんどなく、あったとしても食べていけるようなものではなかったものです。ですから、卒業時には諦め、将来、機会があったら挑戦したいと思っていたものです。それが、大学を卒業して20年以上たった45歳になってみたら、国の基準もできてその職業が「食べて行ける職業」になっており、中途採用も活発になっていたのです。

その後、未経験のために、給料はかなり低く抑えられてはしまいましたが、興味がある仕事で、職場仲間にも恵まれ、学生時代に夢を見たその職業に就くことができ、落ち着いて暮らしています。

人生、どこでどんなふうに好転するか、分からないものです。

「焦り」に負けず、じっくりと自分の人生を楽しみにしていきましょう。

衣食足りて、笑顔を忘れなければ、かならず良いことがあります。

あなたの人生の主人公は、あなたなのです。どんな境遇にあっても、あなたを幸せにできるのは、あなたしかいません。そして、あなたを最高に大切にしてくれるのもあなた自身しかいないのです。

「自分勝手に生きる」のではなく「自分中心」に幸せを追い求めていって良いのですよ。

焦らないで。大丈夫ですから。