「負けない」ことの意味

今の世の中では、受験競争、恋愛競争、はたまた介護施設への入所競争など、何もかも、競争に勝たなければという節があります。

確かに、生物的には、強い遺伝子を残すために競争が常にあり、生き物である人間もそういう生物としての本能から、色々なことが競争になってしまうという面はあるのかもしれません。でも、個人の生き方すべてが「競争」と思うと、疲れるというのが本心ではないでしょうか。

少なくとも、今、ちょっと疲れちゃったな。。と思ってこのブログにたどりついてくださったあなたは、「勝ち負け」とか「競争」とか、もういやだな。。。と思っていらっしゃるところもあるのではないでしょうか。

そうですよね。

人生は、楽しいことや、うまく行っているときばかりではありません。雨の日もあれば、嵐の日も、雪の日もある。曇りが続いて気分が晴れない時だってあります。

そんなうまく行っていないときに、「次は良いことがあるといいな」「今度は絶対成功しよう!」などと気合を入れて頑張ることは、とても素晴らしいことです。

でも、がんばりすぎて空回りして、また沈んでしまう気持ちになるよりは、「負けない」ということが、これからの人生には大切だと思います。

勝たなくたって、いいんです。負けなければ。

そう思うと、少し楽になりませんか?

生きていくことは勝ち負けじゃない

生きていくこと自体は、「勝ち負け」ではないのです。確かに、「隣のおうちは大きくて、奥さんは美人で子供達も素直で、休日には家族そろってお出かけしているし、年末年始には海外旅行に行っているようだ。それに比べて、自分は独り身だし、仕事は忙しく、休日は疲れて寝ているばかりで、大して楽しいこともないし。。。」なんて、人と比べてしまったら、「負けた」と思ったり、別の部分で「勝ちたい」と思うこともあるかもしれません。

でも、人生は勝ち負けではないし、誰かと比べてどうのこうのいうものでもないのです、本来は。

私たちは、誰とも人生の競争なんて、していないのです。なのに、世間では「勝ち組」や「負け組」なんていう言葉が生まれて、そういう世間が作ったレッテルを自分を貼ろうとするから、悔しい思いをするのではないでしょうか。

誰に勝つわけでも、何に勝つわけでもないのです、人生は。

ただ、ただ、あなたがあなたらしく、自分の身の丈で、着実に歩いていれば、それで十分に大成功なのです。

だから、もし、あなたが今、「負けた」気持ちにさいなまれているとしたら、その気持ちに、まずは「負けない」でください。

「負けない」といのは、「勝つ」よりすごいことだと思います。

「勝つぞ!」という言葉は、誰かを負かす強すぎるパワーを持っています。時には攻撃的にもなります。

「いやいや、人ではなくて自分に勝つんだ」ということだとしても、「自分に勝つ」って何でしょう?じゃ、負ける自分もいるのでしょうか?

私は、そういうことではなくて、「負けない」ほうがずっと強いと思います。「負けない」とつぶやくと、不安になったり動揺したり、高揚して暴れ出しそうな気持を抑え、いったん元の位置に引き戻し、震えを鎮めるような気持ちになります。

この「負けない」気持ちの鎮静エネルギーに包まれて、じっくりと人生を歩んでいってみましょう。

少し先に行ったときに「あの時負けなかった自分は偉かった」と思える時が、きっと来ると思います。

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「負けない」 (ちくまプリマー新書)

私がこのブログを立ち上げるきっかけになった本です。45歳からは「大きく勝とう!」とか「一発大逆転しよう」なんて大風呂敷を広げて頑張らなくても大丈夫です。負けなければいいのです。肩ひじ張らずに、等身大のあなたで、「勝つ」より強い「負けない」人生で幸せをつかんでいくヒントになりますよ。