40代で人生の不調期が続いているあなたに、今日は本をご紹介します。
下記の記事でも触れた、美容家の佐伯チズさん著「まけないで 女は立ち上がるたびキレイになる」です。
美容家の佐伯チズさんといったら、クリスチャン・ディオールを定年退職後に美容家として独立、コットンを裂いて化粧水をしみこませ、肌にあてる「ローションパック」で一世を風靡した方です。
マスコミでも大人気で、テレビにもバンバン出演されていました。
70代とは思えない透き通ったお肌に、素敵だな~という思いで釘付けになって観ていた方も多いのではないでしょうか。
その佐伯チズさんが、実は、72歳の時に、信頼していた部下の裏切りにより何もかも失い、どん底のような毎日をさまよっていたというのです。
その、72歳までの出来事、そしてもっとさかのぼった生い立ちや、42歳でご主人を亡くして3年間泣き暮らした話、45歳で再就職したクリスチャン・ディオールで3回肩たたきに遭いながらも定年退職まで仕事を全うしたことなど、美容の話ではなくて、佐伯さんの生きざまがつづられています。
そういった意味では、女性だけでなく、男性にも読んでいただきたい1冊です。
佐伯さんがカッコイイのは、裏切った元部下「彼女」のことを、事実として淡々と書いているけれど、決して恨み節や、誹謗中傷的なことはひとつも書いていないこと。
72歳の時に、信頼しきっていた部下に、2億円という大金を使途不明金として流してしまったこと、いつの間にか、仕事を引退させられていたこと、会社の商標や顧客名簿までも取り上げられるような形になったことは、本当にショッキングなことだったと思います。
でも、そのことの恨みつらみを書いているわけではないのです。信頼しきってチェックしなかった自分が悪い、ときっちりと自分のこととして責任を取っていらっしゃるのです。
ここには、多いに学ばされます。
何か予期しない悪いことがあると、私たちは、人や物事のせいにしがちです。そうするほうが楽だから。
でも、誰かや何かのせいにしたって、自分の人生は好転しませんよね。
それよりは、起きたことを冷静に受け止めて、そこから何かを学び取り、これからの人生では同じ失敗をしないことを誓うこと、そして、これから良く生きるには、どうしていけばいいのかを考えて、前を向いていくことです。着実に、できることを一つ一つこなしていくことです。
この作業を、72歳という年齢でなされた佐伯チズさんには、本当に頭が下がります。
佐伯さんは、105歳の長寿で亡くなった医師の日野原重明先生がおっしゃっていたという「人生は、75歳からが第三ステージ」ということを楽しみにしていたそうです。60歳で起業したのが、第二の人生。そこから15年で大きくして、75歳からはもっと楽しみたい、と。
それが、72歳で大幅な方向転換を迫れることになったのです。
というか。たかだかまだ40代のひよっこの私から見ると、72歳から大幅な方向転換をするということそのものが、大変な偉業だと思います。
それに比べれば、私なんて、まだたったの40代。自信をなくすことなんかないよな、これで終わりなんて思うこともない、身の丈でスタートすればいいんだ、そういう勇気をもらうことができました。
人それぞれ、これまでに経験してきたことや、天命のようなもの、与えられた環境や、守るべきもの、才能の差等はあると思います。ですから、佐伯チズさんのご経験を、そのままあなたの人生に当てはめることはできないでしょう。
でも、一番大切なのは「意志の力」です。
結局は、「負けない」と心に決め、自分の人生を自分で作り上げていく意志を持ち、淡々と一歩一歩の努力を続けていくことが一番強いのだと思います。
その意志の力が揺るぎそうになったとき、同じようにどん底から這い上がった方のお話を読んで、自分も大丈夫だというエネルギーに変えるのはおすすめです。
もし、あなたが、今、人生につまづいてしまって元気が出せない時は。佐伯チズさんの本で元気をだしてもらえたら嬉しいです。
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