40代の私たちは、子供がいる場合は教育費が家計に重くのしかかってくる時期にある人も多いと思います。でも、家のお財布事情を理由に子供の進路の幅を狭めたくないですよね。そうはいっても、私達就職氷河期、ロスジェネ世代は、なかなか年収の伸びも期待できないという現実もあったりします。
子供の進学高校は、学費だけを考えると公立高校が理想ですが、子供の性格や、学校の特色、その先の進路等々を考えると私立高校も選択肢に入れて考える方がより良い進路選択ができるのではと思います。
そこでネックになるのが、やっぱり学費。でも、来春、つまり2020年度から、私立高校も含めて高等学校の実質無償化が始まることになっているのです。
このありがたい制度を、子どもの進路選択に生かさない手はありません。そこで、いったいどこまでが無償になるのか、所得制限はあるのか、授業料以外の部分は無償化の対象になるのか等調べてみました。
私立高校の実質無償化って何?~「高等学校等就学支援金」が拡大すること!
政府による高等学校の授業料支援制度は、正確には「高等学校等就学支援金制度」という名前です。
2014年度から開始されており、現在は公立高校は授業料全額の11万8,800円(保護者等の年収が990万円未満に限る)、私立高校の場合は所得に応じて加算額があり最大で29万7,000円までが支給されています。
これにより、公立高校の場合は実質授業料は無償化されていますが、私立高校の場合は上限額が実際の授業料まで満たないため、無償化とはなっていませんでした。
この上限額が、2020年度には、年収590万円未満の世帯の生徒を対象に、私立高校の平均授業料にまで拡大されるのです。これにより、実質私立高校も授業料が無償になるということです。
【私立高等学校の授業料の実質無償化】
(文部科学省リーフレットより)
我が家では、今時点で上の子が公立高校に通っています。そのため、授業料は「高等学校等就学支援金」の恩恵を受け無料です。
来春は下の子も高校入学を控えていますから、同じように授業料無料になるのはありがたい限り。これが、公立でも私立でも同じように無料ならば選択肢も増えるなあと思っています。
私立高校の実質無償化に所得制限はあるの?上限額はあるの?
「高等学校等就学支援金」の拡大によって実現する、私立高等学校の実質無償化。これには、保護者の年収制限や、支援される額に上限はあるのでしょうか。
年収制限については、年収910万円未満の世帯が対象となっています。
支給される額の上限は、私立高校の平均授業料を勘案した額となっています。全国の私立高校の授業料平均は、399,152円(文部科学省「平成30年度私立高等学校等初年度授業料等の調査結果について」)とのことですから、そこまでが対象になります。
約40万円もの支給。ありがたいですよね。
なお、制度が始めるのは2020年4月ですが、その年の新入生だけでなく、今在学中で2020年4月以降も在学中の2,3年生も対象になります。
私立高校無償化されるのは授業料のみ!入試の費用や入学金、施設費等は対象外なので注意しよう
2020年度から私立高校の実質無償化が始まることで、進路選択の幅が広がるという家庭も多いのではないでしょうか。
ただ、注意しなければいけないのは、私立高校無償化の対象は授業料のみという点です。
私立高校の場合、受験料から、入学金、施設費など、公立高校よりずっと費用が掛かります。高校によっては寄付金があったり、制服が高額だったり、授業料以外の出費も結構あるものです。
例えば、受験料と入学金だけみても、公立高校と私立高校はこれだけ違います。
公立高校(平成30年度) | 私立高校(平成30年度の平均) | |
受験料 | 2,200円(一部の県を除く) | 15,988円 |
入学金 | 5,650円(一部の県を除く) | 163,272円 |
また、私立高校では、「施設設備費等」として平均169,611円かかっています。公立高校の場合、「施設設備費等」という項目はありませんが、教材費やPTA会費などはありますので、一概に比べることはできません。一般的には、私立高校と比べると半額以下と言われているようです。
私立高校無償化によって授業料は無償になっても、入学金や施設設備費などの負担が大きく、やはり家計への負担が大きかったとならないようにチェックしてみて下さいね。
なお、私立高校の場合、入試の成績によって入学金が免除になったり特待生扱いになったりする場合もあります。子供が希望する高校にそのような制度があるかも調べてみると良いと思います。
また、教科書費・教材費など、授業料以外の教育費の負担が厳し家庭向けの支援として、「高校生等奨学給付金」という制度があります。
こちらは、生活保護世帯、住民税所得割非課税の世帯を対象に、教科書代や教材費など、授業料以外の教育費として年間3~14万円を支給するものです。「高校生等奨学給付金」も、返済する必要のない給付です。該当するご家庭は、学校やお住まいの都道府県に相談してみてください。
⇒ 文部科学省「高等学校等就学支援金と高校生等奨学給付金」リーフレットはこちら
高校無償化制度「高等学校等就学支援金」はどうやって申請するの?
公立高校はもちろん、私立高校も実質無償化される制度「高等学校等就学支援金」は、高等学校を通して申請します。
詳しくは入学した高校で案内がありますので、学校からの通知をきちんとチェックしましょう。申請には期限がありますので、期限に遅れないよう注意しましょう。
必要な書類は、下記の通りです。
①申請書
②保護者等のマイナンバーを明らかに出来る書類(マイナンバーカードの写し、マイナンバー通知カードの写し、マイナンバーが記載された住民票等の写し等。)
※他にも、都道府県ごとに必要書類を定めている場合があります。学校からの案内に沿って提出してください。
なお、就学支援金は、保護者などの口座に振り込まれるのではなく、学校設置者(都道府県、学校法人等)が生徒本人に代わって受け取り、授業料に充てます。
(文部科学省リーフレットより)
私立高校無償化とはいえ、家計を守る工夫をしよう ~家計簿、保険の見直しなど
2020年度から始まる私立高校無償化制度は、多くの家庭に私立高校への進学可能性を広げる意味で、とても期待ができます。
ただ、無償化になるのは授業料だけである点に注意する必要があります。
入学金、制服代、施設費、部活動の活動費、塾や修学旅行、その他、高校生には授業料のほか、沢山のお金がかかります。
我が家の上の子は、公立高校へ通っていますが、部活動の活動費や、合宿費、塾の費用など、中学時代と比べて多くの費用が掛かり、「高校生ってお金がかかるんだなぁ」と思ったものです。
更に、その上に大学や専門学校等への進学を希望している場合は、子供が社会に出るまでにもっと沢山のお金が必要になります。
ですから、私立高校の授業料無償化制度が利用できる場合でも、家計を守る工夫は続けていきましょう。
具体的には、まずは家計簿をつけること。あまり構えずに、簡単な方法でもOKです。私は、大学ノートにつけています。方法は、下記の記事で紹介していますので、ご参考になさってください。
それからおすすめしたいのが、保険の見直しです。
独身時代にかけた保険や、結婚したときにかけてから、そのまま見直しをせずに保険料を払い続けているものなどがある場合、今の家計の事情に合っていない場合もあります。
そんな場合、まずは無料でファインシャルプランナーに相談できるサービスを利用することも一考です。
たとえば、保険コネクトは、どこの保険会社にも属さない中立のファイナンシャルプランナーが相談に乗ってくれます。家計の状況から、貯蓄の方法、子供の教育費はもちろん、老後資金のことまで相談することができます。
私は、離婚をしたときにファイナンシャルプランナーに相談して保険を見直し、自分に必要な保険内容に切り替えました。
その時に、子供の進学費用の捻出も早いうちに考えておく必要が大きいため、学資保険にも加入しました。今から10年以上前に加入した学資保険のおかげで、実際に子供が進学する際に大きな安心になっているのは、ファイナンシャルプランナーに相談できたからこそのことで、本当にやって良かったと思っています。
私の場合は学資保険でしたが、家計全体で見て保険が占める割合が低くはない場合、ぜひ保険の見直しをして、無駄な保険料を支払わなくても済むようにして子供の教育費に回していきましょう。
保険コネクトにご興味がある方は、こちらからどうぞ。今なら、無料相談するだけで生活に役立つサービスや商品が1年間割引価格で使えるキャンペーン実施中です。
お子さんの進学で何かとお金がかかる1年になりますから、保険の見直しと家計の見直しを兼ねて、ぜひプロのファイナンシャルプランナーに相談してみてください。
私立高校無償化まとめ
高等学校は、子供が初めて自分自身で選択する進路であることも多いことでしょう。子供自身は受験に通るよう勉強して、親は経済面でバックアップできるようしっかり情報収集していきたいですね。
「高等学校就学支援金」については、政府インターネットテレビの説明もわかりやすいです。気になる方はチェックしてみて下さい。
⇒ 政府インターネットテレビ「あなたの意志や希望を応援します! 高等学校等就学支援金」
また、私立高校無償化と言っても、対象は学費だけということに注意しましょう。入学金、制服代や、施設費は、無償化の対象にはなりません。
ですから、私立高校無償化制度が始まっても、家計簿をつけたり保険を見直したり、その後の大学や専門学校への進学を見据えて、学資保険のチェックや、塾費用の捻出や経済的な学習の仕方を探すなど、引き続き工夫をしていきましょう。
子どもの教育費は、子ども自身と社会全体、親であるあなたの未来への投資です。また、子供の幸せと社会全体、親であるあなたの幸せでもあります。そのためにも、情報収集してがんばっていきましょう!
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