「竜とそばかすの姫」毒親育ちから脱却した40代が観たバカ正直な感想!

2021年のカンヌ映画祭で大絶賛されたという細田守監督の「竜とそばかすの姫」

コロナ禍だし、映画に行くのも何となく気が引ける世の中ですが、金曜ロードショーでハイライトシーンを観て圧倒され、観に行ってきました。

予備知識無しに行ったのですが、劇中歌、音楽、演出、映像、キャラ設定、物語の面白さに引き込まれ、気付いたらボロ泣きして観てました(;^ω^)

周りは、全然泣いてませんでしたけど。。

そのヒミツは、ちょっとネタバレになりますが。。

「竜とそばかすの姫」のモチーフに「子供のころからの心の傷」とか「子供の虐待」「毒親からの自立」等があって、その部分が、大人になってからやっと毒親から脱却した40代女子の心に、グサグサと刺さったからでした(*^^*)

今回は、そんな毒親脱却した40代女子が観た「竜とそばかすの姫」のバカ正直な感想を書きたいと思います。

ちょっとネタバレありなので、映画を観てから読みたい方は、先に映画を観てきてくださいね!

1.「竜とそばかすの姫」途中までのストーリー

「竜とそばかすの姫」の主人公は、17歳の女子高生、内藤鈴(すず)。幼い頃、母を事故で亡くしています。すずの母親は、増水した川に取り残された名前も知らない子供を助けるために川に入り、一つしかないライフジャケットをその子供に着せ、自分は帰ってこなかったのです。

母が生きている頃、一緒に歌を歌うのが大好きだったすずは、母が死んでから、大好きだった歌を歌うことができません。いつも心に寂しさを抱えています。唯一の楽しみは作曲。でも人前で歌うことはできないのです。

そんなすずを、親友のヒロちゃんが、50億人以上が集う「U」というインターネット上の仮想空間に誘います。その中では、As(アズ)という自分の分身を作るのです。BellというAsになったすずは、「U」の中では歌え、あっという間に世界中で人気の歌姫になります。

数億のAsが集まるBellのコンサートの日。そこに突然、謎の「竜」というAsがあらわれ、コンサートを目茶苦茶にしてしまいます。

乱暴なのに寂しい目をした竜に惹かれるBell。

Bellの優しい歌声に少しずつ心を開く竜。

一方、竜は、「U」の平和を脅かす存在として、追われる身になってしまいます。「竜」は誰なのか、Asとしては一番恐ろしい アンベイルという、本当の正体を明かされる危機にさらされる竜。

その竜を助けたいBell。
竜の正体は誰なのか?

現実のすずと、「U」のBellがクロスして、友達や周りの大人たちに支えられて、現実の「竜」の正体を捜し、その誰かを救う挑戦が始まる!

みたいな感じです。

最後の最後は、ネタバレになっちゃうので、ここら辺までで。。!

2.「竜とそばかすの姫」を観てなんでボロ泣きしたか

「竜とそばかすの姫」で、なんで40代女子の私がボロ泣きしたか。

実は、冒頭に書いた通り、この物語の影の部分に、「子供のころからの心の傷」や「子供の虐待」、「毒親からの脱却」を感じて、それに立ち向かうすずの姿に、心が動いてしまったからです。

まず、すずは、幼い頃に母親を事故で亡くしています。それも、ただの事故じゃない。

川遊びに来ていた、見知らぬ子供が増量した川の中州に取り残され、その子供を救うために、ライフジャケットを付けて川に入っていくのです。「お母さん、いかないで!」という小さなすずの叫びも聞かないで。「だって、このままじゃ、あの子、死んじゃう!」と言い残して。

帰ってきたのは、その子供だけ。さっきまでお母さんが着ていたライフジャケットを身に着けて。そうして、お母さんは帰ってこない。

自分の母親がこんな死に方をしたら、「お母さんは強かった」なんて思えるでしょうか。

「お母さんは、名前も知らない子供を助けて、私を置いていった」
「子供の私より、名前を知らない子供を助けたんだ」

幼いすずの心には、そんな思いがずっとわだかまっていたのです。

人助けをするのは正しい。

でも、そのことによって自分の命がなくなり、自分の子供に辛い思いをさせるなら、その人助けって正しいのでしょうか。

正しいけれど、間違っている。

母親に死なれた子供からすれば、命を投げ打って幼い命を救ったとしても、それは、何の意味もないかもしれない。

「お母さんは強かった」

そんなのきれいごと。

幼いすずからしたら、「お母さんがいなくて寂しい。お母さんは、どうして私を置いて行っちゃったの?」そんな思い、お母さんへの思慕と恨みをずっと持ち続けるんじゃないだろうか。

このことを、私は、言い方が適当かは分からないけれど、すずのお母さんがすずに対してした、最初で最後の虐待じゃないかと思ったのです。

すずは、母の正義感という名の毒に、ずっと絡みつかれていた。

でも、「竜」を救う!と決めたときに、そのお母さんへの思いや恨みを解き放った!

ように思えて、涙が出てきたのです。

まさに、親の毒からの脱却。

そして、救うのは、ネタバレになっちゃうから、ちょっと書けません。これはもっと、ストレートに毒親に育てられている子供だから。

「この家では親の言うことがルールだ」
「誰のおかげで生活できてると思っているんだ!」

そんなフレーズに、思わず涙が出てしまったからです。

私もそういうことを言われて育ったから。

でも、そんなことないんです。

全ての子供は、もっとのびのびとしていていい。

無条件に親に可愛がられていいし、子ども自身で人生を選び取っていっていい。

映画には、沢山のメッセージがあると思います。

「竜とそばかすの姫」は、音楽や演出、映像のすばらしさもメッセージ。

高知の美しい自然の描写が素晴らしく、それもメッセージ。

そして、私が「竜とそばかすの姫」から受け取った一番強いメッセージは、「過去を解き放って、自分の人生を生きる!」でした。

だから、大泣きしちゃったのかなと思います。

3.大人にも子供にも「竜とそばかすの姫」をオススメするわけ!

「竜とそばかすの姫」は、「バケモノの子」や「おおかみこどもの雨と雪」、「サマーウォーズ」「時をかける少女」で知られる細田守さんが監督をした映画です。

先ほども書いたように、映画には、沢山のメッセージがあると思います。

「竜とそばかすの姫」は、Bellが劇中で歌う歌や、映像の美しさに圧倒されました。
それもメッセージ。

それから、高知を舞台にしているそうですが、仁淀川という川が流れるすずが暮らす山村の自然の美しさ。

高知市を流れる鏡川の川沿いでの高校生の青春シーン。

Bellが、竜に会いに行くシーンは、ディズニー映画の「美女と野獣(Beauty and the Beast)」のオマージュかと思うほどに似ていて、思わず笑ってしまったり。

「U」という仮想世界と、現実がクロスして、生身の人間が生身の人間を救えるのか、というスリル。

これらすべてがメッセージ。

そして、私が感じ取った、「過去から解放されて、自分の人生を生きる!」もまたメッセージですね。

受け取る側も、色々な捉え方ができると思います。

レビューを観ると、色々ありますが、もし、ご興味があれば、ぜひ観てくださいね!

映画「竜とそばかすの姫」公式サイトはこちら

映画は見ないけれど、本で読みたい方には、細田守作「竜とそばかすの姫」の本がオススメです!

「竜とそばかすの姫」の音楽を楽しみたい方は、サウンドドラックがオススメです。

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