キーエンス財団の給付型奨学金!応募から決定までの体験談

子どもの大学進学は嬉しいもの。でも、学費や仕送りなど、経済面では工夫が必要ですね。

うちはひとり親家庭、年収ダウンの転職後に上の子が県外の大学に進学したので、とても心元なかったんです。そこで、返還不要の奨学金を探しました。

一番メジャーなのは、日本学生支援機構(JASSO)による給付型奨学金

でもこれは、年収要件や資産要件が結構厳しいのです。原則、住民税非課税世帯やそれに準ずる家庭ということで、フルタイムで働いているとなかなかそこまでは行きません。

でも、でも!住民税は払っていても、子どもの学費に仕送りに、となるとなかなか大変ですよね。うちみたいなひとり親家庭で、その下にもまだ子どもが続くとなるとホントに!

じゃあ、と探して「これなら!」と選んで応募したのが、キーエンス財団の奨学金

4年間、毎月10万円がいただけるというもの。もちろん返済不要

ありがたいことに選ばれました!

毎月10万円です。年額120万円。4年間で480万円!
これで、毎月の仕送りはしなくて良いことになりました。本当にありがたい。
※正確には、うちの子は2021年度に選ばれたので、当時は月額8万円でした。

そこで、今回は、キーエンス財団の奨学金の応募から奨学生決定について、我が家の場合をレポートします。

1.キーエンス財団の奨学金って何?

日常ではあまり聞きなれない「キーエンス」という会社。実は、世界中でビジネスを展開する、超優良企業です。自動制御機器や計測機器、情報機器、光学顕微鏡・電子顕微鏡などの開発や製造販売を行っており、世界中46か国、230拠点でビジネスを展開している、東証一部上場の超大企業です。

この会社が、「社会に貢献する人材の育成に寄与すること」を目的にして2018年に設立したのが、公益財団法人キーエンス財団です。

キーエンス財団は、

・日本の将来をしっかりと見据えて牽引しするのは、未来を担う若者であること
・貸与型奨学金で大学を卒業した若者の卒業後の返済の厳しさが社会問題化していること
・国による給付型奨学金の拡充も始まっているが十分でないこと
・若者が安心して学業に取り組めるよう返済不要の奨学金で応援すること

という趣旨で、大学生への奨学金給付事業を行っています。

その規模が、圧倒的に驚くほどなんです。
なんと、2024年度の、新大学1年生の募集人数は、600名!
大学や、学部の縛りはありません。

応募資格は、次の3点だけ。(2022年度生の場合)

1.2024年4月に日本の大学に入学する者
 (4年制の学部・学科。通信や夜間、留学生は対象外)
2.2024年4月1日現在、20歳以下である者
3.経済的な支援を必要とする者

さらに、新2,3,4年生対象には、2,000名を対象に年間30万円の応援給付金の支給も行っています。

すごい、なんて懐の広い財団なんでしょう!!
本業で得た利益を、自社の発展だけでなく、未来を担う若者のために、奨学金を給付してくれるのです。

改めて、わが子がこのような素晴らしい財団の奨学生にならせてもらえたことを、ありがたく思います。同時に、ちゃんとした学生生活を送り、卒業後はいくばくかでも社会に貢献できる人間に育ってもらわなければと身が引き締まる思いです!

2.キーエンス財団の奨学金 応募から一次選考

キーエンス財団のから奨学金を頂くには、手順通りに応募をし、一次選考と二次選考に通過する必要があります。

選考のスケジュールは、大まかに下記の通り。(2024年度募集要項より)

キーエンス財団の給付型奨学金 応募~決定、給付の流れ (キーエンス財団HPより)

2024年2月1日~4月5日午前10時 応募
2024年4月11日          一次選考結果通知
2024年4月11日~24日      二次選考の受付と書類提出
2024年6月中旬          二次選考結果 メール通知
2024年6月中旬          採用者の手続きと正式決定
2024年7月25日(予定)     4~7月分の奨学金給付
(奨学生が指定した銀行口座に振込)

                以降、毎月25日までに当月分の給付

うちの子どもは、2021年度生ですが、これより3年早い同じような日程でした。

うちは、1浪して3月に県外の国立大学に合格後、入学手続きやら引っ越しやらを終えてから、一次選考の申込締切日ギリギリに申し込みました。

一次選考は、財団のHPから申し込みます。必要な情報は、氏名や住所などの基本情報、進学大学と学部名、世帯の収入状況(課税証明書などを入力。ただし、書類提出は不要。二次選考では書類提出要)等です。

ここで書く進学大学等は、後で変更することも可能です。たとえば、私立が合格した時点で入力、その後国立に合格し、国立に進学することにした場合等もあるからです。

ここで大事なのは、「必ず本人が入力する」ことです。

キーエンス財団が奨学金を給付してくれるのは、大学生本人です。ですから、親が入力する、あるいは親に任せるというのはNGです。

また、この段階で一次選考で審査される「小論文」の入力があります。

うちの子が応募した2021年度のテーマは、「あなたは、周りの人からどのような人物だと思われているかというようなものでした。文字数は200字~400字と短いです。

2022年のテーマは、「あなたがこれまでに感動したこと」となっています。文字数は同じく、200字以上400字以内。

簡単なようで、難しい。200字~400字という字数が微妙です。

子どもが困って相談してきましたので、こうアドバイスしました

自分をどれだけ客観視できているか、が問われているんじゃない?客観的に観た自分、こうありたい自分、こうあるべきと思う自分、そしてそのギャップをどう埋めるか?
ちなみに、私はあなたのことを、〇〇〇〇な子だなぁと思っているよ」

それで、なんとか400字ほど書いて提出しました。

あの微妙なアドバイスが正しかったかは分かりません。

ただ、キーエンス財団が募集している奨学生は、ちゃんと未来の社会を担ってくれる若なんだという趣旨を考えると、おのずと、書くべき方向性が見えてくると思います。

つまり、自分を冷静に客観視し、どうやったらその長所を生かし、短所を補って、出していただく大切な奨学金をきちんと使って学び、どんな大人になろうと考えてるか、が審査ポイントだと思うのですね。

そのアドバイスが奏功したかは謎ですが、おかげ様で、一次選考に通りました。

ちなみに、一次選考の通知は、子どものメールに届きました。親の所に通知は一切ありません。そうですね、だって、子どもが給付してもらうものですから。

3.キーエンス財団の奨学金 二次選考~結果発表

応募の時点で既に県外で独り暮らしを始めていた子どもから、「キーエンス奨学金、一次選考通ったよ~!」とLINEで連絡がありました。

そこから、二次選考の登録〆切までは2週間ほど
登録には、子ども自身が入力するWeb登録に加え、書類の郵送が必要です。

必要な書類は下記の通り。

1.大学の学生証コピー(A4用紙にコピー)
2.在籍大学の在学証明書(原本)
3.卒業高校の調査書(原本、開封無効)
4.世帯全員分の住民票の写し(原本)
5.所得・課税証明書又は非課税証明書・住民税決定証明等の原本
(父母両方)
6.健康保険証(家族全員分・A4用紙にコピー)

うちは、子どもは既に住民票も住所地に移してありましたので、私が私と下の子どもの分の住民票と私の所得・課税証明書や、健康保険証のコピーを、子どもあてに送付し、子ども自身がその他の書類とまとめて提出しました。

提出にあたっても、A4封筒に全てまとめること、とか、書類送付確認書をダウンロードして添付すること、などの細かい決まりがあり、きっちりと申請者本人(つまり、子ども)が確認する必要があります。

また、高校の調査書は、たまたま1通余分なのがあったからよかったですが、もし、余分がなければこちらも卒業した高校に依頼する必要があったので、時間的に大変だったろうなと思います。

もし、キーエンス財団の奨学金を申込を検討している場合は、大学受験の段階で少し多めに高校の調査書をもらっておくと良いと思います。

書類はこれくらいですが、ここで大切なのが、小論文!!
二次選考にも、当然!小論文があります。

テーマは、「大学生活で何をしたいのか、その先の将来、社会で何をどうしたいのか」というような内容でした。

ど真ん中直球キター!
これぞ、まさに、奨学金をいただくための、キモなテーマですね。

ここでもまた子どもから、「こんなふうに書いてみたんだけど、見て。。」という連絡が来たので、アドバイスをしました。

「要するに、キーエンス財団さんが『よし!この子なら、奨学金を給付してやろう!大学でしっかりと学び、将来世の中に役立つことをしてくれそうだから。そして、それがキーエンス財団のおかげなら、これ本望』と思ってくれるかどうかってのが、選考のポイントだと思うのよね。

だから、『私はこんなふうに大学で学び、学生生活を送り、将来は、こんな形で社会に貢献できる人間になりたい』ってのが、しっかりと伝わるように書くこと。」

かくして、子ども自身が具体的に学びたいことや、やりたいことを本人なりに書いて、提出しました。

そして、4月下旬の二次選考の書類提出から1か月と少したった、6月上旬。子どもから、LINEが来ました。

「キーエンス、通ったよ」

ありがとうございます!!
そんなわけで、キーエンス財団の奨学生内定。

その後、子ども自身の銀行口座を振込先として登録し、本人と保護者の連名で署名をした確認書を財団に郵送して、奨学生決定。4年間、キーエンス財団の奨学生として大学生活を送ることになりました。

ちなみに、奨学生となると、在籍大学と出身高校にも連絡が行きます。沢山の方々に見守られるわけですから、学生の本文をしっかりと全うして欲しいものです。

4.キーエンス財団の奨学金 奨学生としてやるべきこと

キーエンス財団で奨学金を頂く奨学生には、義務があります。

それは、1年生の10月から、年2回、成績証明書と在学証明書を郵送することと、年1回、10月にレポートを提出することです。

ちゃんと、大学生活を送っているか、確認するわけです。当然といえば、当然ですよね。

成績不良によってただちに奨学金給付が止まるわけではないようですが、停学や退学、留年、義務を果たさない時、著しく成績や品行が不良な場合等は、奨学生としての資格を喪失してしまいます。

ですから、奨学生に決まったからには、経済面でバックアップしてもらう分、しっかりと大学生活を過ごすということが大切ですね。

まとめ キーエンス財団の奨学金に感謝!その他の奨学金もチェック

今回、キーエンス財団に奨学生として採用していただいたことは、我が家にとって本当にありがたいことです。

ひとり親家庭、県外の大学への進学、次の子もいる、転職して年収激減(苦笑)、など、経済的には決して潤沢といえない我が家ですが、毎月8万円も子どもに奨学金を給付していただくことで、大きな安心が生まれました。

もし、今、この記事を読んでくださっている方で、同じようなお悩みをお持ちの方は、ぜひ、キーエンス財団のHPをチェックしてみてください。

 キーエンス財団

また、日本学生支援機構が行っている給付型奨学金や、学費の減免制度などもチェックしてみると、選択肢が広がると思います。こちらの記事でも紹介しています。

そのほか、探してみると、給付型の奨学金は他にもあります。それについては、こちらの記事にもまとめているので、ご興味のある方は、ぜひご覧ください。

あなたのお子さん、あなたご自身の選択肢の幅がひろがりますように!

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