放送大学大学院修士全科生の一次試験を受験してきました。この記事では、放送大学大学院へ行きたいと考えている方に向けて、修士全科生一次試験について、個人的な体験談としてお伝えします。参考になれば幸いです!
放送大学大学院修士全科生とは
まず、「え!?放送大学大学院って、入学試験があるの?誰でも入れるんじゃないの!?」と思った方に、放送大学大学院の学生種別についてお伝えします。
放送大学大学院修士課程には、3つの学生種別があります。
1.修士選科生
2.修士科目生
3.修士全科生
このうち、「1.修士選科生」と「2.修士科目生」は誰でも入学できますが、「3.修士全科生」は受験が必要です。
「1.修士選科生」と「2.修士科目生」は、興味がある科目だけ履修できる科目履修生で、「3.修士全科生」になると、修士の学位取得を目指すことができます。
科目履修だけならだれでも受講できますが、修士論文を書いて学位を取ろうと思ったら受験が必要、ということです。
科目履修生である「1.修士選科生」と「2.修士科目生」の違いは、在学年限。選科生は1年で、科目生は6ヵ月です。1科目受講するのに6か月かかりますから、もし1科目だけ受けたいなら、科目生でOK。
選科生と科目生で取った単位は、修士を取るために全科生になった後も、履修単位として認められます。ですから、全科生になるまでに必修単位を揃えておこうという場合は、選科生として1年在籍してコツコツと科目を履修することがオススメです。
私は、フルタイムの仕事をしながら、全科生で必修科目も取りながら修士論文を書くのはほぼ不可能と、数年前に放送大学大学院で修士を取得した方にアドバイスを頂いたので、まず、修士選科生として科目単位を揃えることから始めました。昨年から在籍し、毎学期2~3科目受講し、2年間で、修士論文等全科生にならないと取れない科目以外は取得完了する予定です。
そんなわけで、今年修士全科生を受験することにしたのでした。
放送大学大学院修士課程一次試験に向けてやったこと
まず、修士全科生に出願する際「研究計画書」を書いて提出します。大学院入試では、研究計画書がかなり重要ですから、出願の時点からかなり本気が必要です。
研究計画書については、別の記事に譲るとして、この記事では、一次試験に向けてやったことに絞って書きます。
放送大学大学院修士全科生の一次試験は、毎年10月初旬の土曜日に実施されています。場所は、各都道府県に1~2くらいある学習センターやサテライトスペース。時間は、朝9:30~11:30の2時間です。
内容は、筆記試験。専門分野と英語、または専門分野だけです。
放送大学大学院修士課程の研究科は、下記7つのプログラムがあり、プログラムによって試験内容が違います。
1.生活健康科学
2.人間発達科学
3.臨床心理学
4.社会経営科学
5.人文学
6.情報学
7.自然環境科学
出願時に1つのプログラムを選ぶので、対策も自分が受験するプログラムだけでOKです。
私は、出願後、放送大学大学院のホームページから、自分が受験するプログラムの過去問をダウンロードして、練習しました。
過去問は、こちらのページに3年分掲載されています。
⇒ 放送大学大学院過去問題一覧(放送大学大学院のWebPageより)
私が受験したのは、人文学プログラムです。専門科目と、英語がありました。
過去問を見ると、人文学プログラムの中でも、私が専門にする「文学・言語文化」の分野は、ここ数年ずっと同じ出題で、「自分が最も関心をもったテーマについて、どうして惹かれ、これまで何を学んで考え、今後どう研究を深めたいか」を1,000~1,200字で書くというものです。
英語は、2021年度までは、内容把握に関する選択問題でしたが、2022年度は趣旨を200字程度で書け、という要約問題になっていました。英和辞典の持ち込みがOKです。
こういう傾向だったので、私が一次試験に向けて準備したのは、下記の通りです。
1.専門分野
過去問を見て小論文を完成させ、何度も書いて練習した。
録音して通勤や車で移動中に聞いた。
2.英語
過去問を解いて要約練習をした。
要約問題は1年分しかなかったので、その前の年の分も要約の練習をした。
大学入試の長文読解問題集を解き、要約練習をした。(2問くらい)
小論文を書く際は、こちらの本で、大学院入試の小論文について学びました。
色々な分野の論文の書き方が載っていて参考になりました。
出願が8月下旬〆切で、一次試験が10月初旬でしたので、出願から一次試験までは1ヵ月ほどありました。正直、英語に関してはもっと練習すれば良かったのですが、仕事が繁忙期だということを言い訳に、やりきれなかったのがちょっと悔しいです。
ただ、点数配分は、人文学プログラムは専門:英語=70:30なので、圧倒的に専門分野が大事です。
専門分野も、どれが正解というのがないので、準備した小論文の内容で良かったのか、最後まで不安でした。完成させるのが結構ギリギリになってしまったので、誰かにレビューをお願いする時間がなく、試験前日に、帰省していた大学生の娘に整合性をチェックしてもらって手直しした程度でした。もう少し早く仕上げて、修士持ちの友だち等に見てもらえって推敲すればよかったなあ、と思います。
が、「やれることは全部やった!」と気持ちを切り替えて、一次試験に臨みました。
放送大学大学院一次試験当日レポ
試験当日は、9:00集合でした。
下記のものを忘れないようチェックリストを作っておきました。
1.受験票
2.筆記用具
3.英和辞典
4.時計
受験票は、A4版を大きいサイズで、真ん中にミシン目が入っています。当日試験会場で切り離す指示が出ますので、事前には切り離しません。
受験票に写真があるためか、身分証明証持参の指示はありませんでした。
早めに家を出て、8:30過ぎに会場到着。私は地方在住ですので、車で行きました。早すぎたせいか、表の駐車場の門が閉まっていてびっくりしましたが、裏に回ったら開いていました(笑)
車の中で、小論文をもう一度読んで、会場へ向かいました。
受付で受験票のチェックを受け、試験教室へ行き、指定された席に座りました。
真ん中の教卓の真ん前に、デーンと大きいデジタル時計が設置されていました。時間チェックは、それでOKです。
前のホワイトボードに座席表があったので見てみると、私が受けたある地方県の会場では、博士課程が4人くらい、修士課程が8~9人くらいで、合計12、3人の受験でした。
9:00の5分前くらいに試験官の方々が入ってきました。「蓋つきのペットボトルなら持ち込みOKですので、今のうちに買ってきていいですよ」とおっしゃり、何人かの方が、自販機まで行ったようです。私は、マイ水筒を持っていたのですが、それもOKでした。
9:00になり、説明が始まりました。問題冊子と、解答冊子、下書き冊子も配られ、説明の指示に従って、受験番号や名前を記入しました。
問題冊子は、人文学プログラム分だけで、濃いめの水色でした。解答冊子と、下書き冊子は、白。冊子といっても、左上でホチキスで止められているものです。
過去問の表紙に、「ホチキスを取らないこと」と書いてあったのですが、3冊になっているとは書かれていなかったので、「ペラペラめくりながら解答するのかなぁ、大変そうだなぁ。。」とナンセンスなことを考えていたのですが、問題と解答用紙、下書きの3冊に分かれていたので、なーんだ、そういうことだったのか、と、謎が解けました。
あと、過去問に「解答用紙は1枚につき800字まで記入することができます」とあったのを、不思議に思っていました。
だって、A41枚に800文字のマスを作ると、かなり小さくなりますよね。だから、A3サイズなのかなぁ、と思っていました。でも実際は、解答用紙が両面印刷だったので、納得しました。A4の裏と表で800文字記入できるんです。ですから、片面だけだと400文字。20文字×20行で、原稿用紙と同じ分量でした。
記入はA4縦向き用紙に、横書きで、1マスが、おそらく8㎜四方位でした。ですから練習する際は、A4縦向きの横書き原稿用紙でするといいと思います。
こちらにPDFを載せますので、よろしければご活用ください。
説明は13分位で修了してしまったので、17分ほど、待ち時間がありました。長かった。。。
この間も、トイレへ行ったり、ペットボトルを買いに行ったりすることができました。ちょっと緩い感じ。。
で、17分待って、教卓前の大きいデジタル時計が9:30ちょうどになったとき、試験が始まりました。
問題用紙を開くと、専門分野(人文学プログラムの文学・言語分野「は過去問題と同じ。
英語は、A41枚半弱ほどの英文を、150字程度で日本語で要約せよ、という問題で、昨年度の200文字程度要約から文字数が減ったものの、ほぼ同じでした。
私は、専門分野の小論文は、練習から30分程で書けるのが分かっていたので、まず専門分野の小論文を仕上げて、英語に取り組みました。
小論文は、ほぼ覚えているとはいえ、完璧ではないので、段落ごとにキーワードを作っておいて、下書きに段落とキーワードを書いておいて、確認しながら書きました。で、40分程で完成。
ここで注意ですが、人文学プログラムは、さらに、(1)哲学・思想・宗教、(2)美学・芸術論、(3)歴史学、(4)文学・言語文化、(5)人類学・比較文化の、5分野に分かれます。小問題として、原稿用紙のマス左側の指定された位置に、(1)~(4)のいずれかを書く必要があります。これから受験する方は、忘れないようにしてください。
残りの時間を、英語に充てました。英語は、Academic writing に関するもの。全部読んでも150文字に要約となると、全部網羅はできないので、大事なところかなーというのを、下書き用紙を使って160文字くらいで書いて、解答用紙に清書しました。
この時点で、11:00くらい。
試験は開始40分後から終了5分前までは、途中退出ができます。
よって、ここから修了5分前の11:25までなら退出できます。2~3回小論文を読みなおし、英語も読みなおしてちょっと手直しして、もう、どうにもならないな、と思ったので、11:20頃手を挙げて、退出を願い出ました。
私より前にも、2~3人の方が途中退出されていました。
解答用紙、問題用紙、下書き用紙、全てをチェックしてもらって提出して、退出しました。
放送大学大学院一次試験を終えて
以上、放送大学大学院修士課程入試一次試験のレポでした!
私が受験した人文学プログラムの「文学・言語文化」分野は、専門分野の出題が毎年同じですので、内容がかなり問われると思います。正直、私自身はできる限りの準備をしましたが、そもそもそれでよかったのか、という不安はまだあります。
でも、ま、何度でも受験はできるし、いつかは絶対修士を取りたいし、修士論文のテーマにしたい研究内容はすごく興味があることなので、もし今年NGだったとしても、受かるまで受験しようと思います。その間、ずっとテーマに取り組んでいれば、その分深い研究ができると、ちゃっかり良いように捉えて、朗報を待ちたいと思います。
結果は4週間後に郵送されます。無事合格すれば、11月中旬に二次試験の面接です。Zoomを使って自宅で受験するんです。
一次試験の結果を知ってから準備を始めるのでは遅いので、今から準備を始めようと思っています。
準備の内容としては
・専門分野の先行研究の読み込み
・おそらく面接を担当してくださる先生の論文の読み込み
・大学院入試対策本で面接の頻出質問事項をチェックして、回答準備をすること
です。
二次試験に進めたら、このあたりもレポートします!
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
皆さんの大学院入試も、うまくいきますように!
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