45歳の頃、9年続けた仕事が合わなすぎ、自分を失い心を壊しかけて半ば自暴自棄になり退職しました。
辞めた会社は、大きな会社でした。給与や福利厚生面や安定性は悪くなかったのですが、仕事が苦手過ぎました。最初から薄々気付いていたんです。でも、地方で二人の子供を抱えたシングルマザーとしては、条件面でそれ以上のところはなかなかなく、毎日自分をだまして続けていました。
そうはいっても、やっぱり合わない仕事は合わないんですね。そのうち、心が悲鳴を上げ、子どもたちの反抗期や受験期のストレスも相まって、メンタルがやられてしまったんです。
退職前後は、精神的にも経済的にも大打撃を受けました。
でもその後、心を落ち着かせ、生活を取り戻し、自分と向き合い、求職活動を開始しました。そして、若い頃やりたくて叶わなかった仕事に偶然ご縁を得て未経験で転職し、2年がたちました。今は3年目です。
今回は、そんな私が、転職してからの2年、今、そしてこれからについて書いてみます。
45歳で未経験職種に転職した私の1年目
1年目は、初めての職種だったため、毎日無我夢中(笑)。
ある意味、45歳で無我夢中って、幸せとも言えますね。
とちゃっかり解釈。
回りはみんな年下でした。上司も、仕事を教えてくれる先輩も、みんな年下。しかも、10歳以上。
こうなると、正直、社会人としては10年以上余計に経験している私から見ると、上司にも先輩方にも経験が浅い面もあり、常識的な所で、「ん??」と首をかしげたくなることや、つい、一言余計なことを言ってしまいそうになることもありました。でも、ぐっと我慢しました。
だって、仕事は人間関係が一番大切なので。ただでさえ、45歳の新人なんて、扱いにくいでしょう。それが、仕事も分かっていないくせに、社会人としての先輩風みたいなのを吹かそうものなら、あっという間に煙たがられますから。
まぁ、だから、1年目は、今考えると、まさに「修行」でした。
「修行」といっても、学生時代から「いつかやりたい」と思っていた仕事だったので、楽しかったですし、何より、前職で苦手な仕事をやらなければならない辛さを充分に経験していたので、「楽しい」というだけで、随分ハッピーでした。
でも、入って数か月後、ちょっと悩んで、直属の上司より上の上司に相談したんですね。「社会人として未熟な面がある先輩のやり方に疑問があって、指摘すると逆切れされるのでやりにくい」と。
すると、その上司もそれは見ていらしたようで、「今の仕事としては新人だけど、社会人としては先輩たちよりずっと経験があって、やりにくいんじゃないかなと思いますよ。でも、今は『長いものに巻かれる』気持ちで、やり過ごすのも一つのやり方。数年すれば、きっと自分の思ったようにやれる時期が来ますから」と言われました。
3年目の今になっても、その言葉を大事にしています。まだ、全部自分の思うようにやれているわけではありませんが、新入社員の頃よりは、随分自由になりました。
なお、あの時相談した上司は、今でも信頼できる人です。年下上司が多い中、その方は年も上でかなりのご経験もされている方なので、年下上司の未熟さに振り回されて参りそうなとき、こっそり相談しています。こんなふうに、メンターのような存在の上司がいることは、本当にありがたいことです。
転職から2年目
転職から2年目は、仕事もある程度覚え、自分のやり方を模索している段階でした。
また、自分自身に足りないものも見つかり、勉強や資格試験受験などで、積極的にスキルアップもしました。その頃、ちょうど、コロナ禍により仕事のスタイルも随分変わりました。と言っても、私にとっては、コロナ禍の時期に仕事が一人前にできるようになってきたので、コロナ前のやり方が想像できないくらいです。
そして、この時期、コロナ禍に入ると同時に仕事が回せるようになった私とは逆に、コロナ前から続けてきた先輩が、コロナ禍による仕事スタイルの変化についていけなかったのか、それとも別の考えがあるのか分かりませんが、退職しました。
その先輩の退職により、仕事のある部分を、かなり自分の裁量で回せるようになり、責任と同時に思い切りやれるという爽快感を感じたのも確かです。
転職から3年目
そして今、ここ。3年目です。
前述の先輩が退職し、私自身が考えた方針で回し始め1年目です。経験不足は否めず、必ずしも最良の結果が出せているわけでなく、試行錯誤をしながらではありますが、なんとか形になってきました。
今年やり始めたことを、良いものはブラッシュアップし、イマイチなものは切って、次年度に向けて進んで行こうと思っている所です。
そして、仕事そのものですが、やはりこれは、やりたかった仕事だったというのもあり、本当に楽しいです。
どうせ、同じ時間を過ごして、生活の糧を得るなら、楽しいと思うことを仕事にするほうが幸せです。
確かに、給料は前職と比べれば、ガクンと減りました。
でも、暮らしていけないわけではありません。子供達二人と私の生活を支えていくことくらいはできます。
労働条件面も、残業はあるし、完全週休二日ではないし、別に良いってほどじゃないです。
そういうことを差っ引いても、食うに困らず、毎日好きな仕事ができるって、本当にありがたいことです。
そこは、45歳で、これが最後と腹をくくって、未経験職種に挑戦した自分を褒めたいところです(*^^*)
45歳で未経験職種に転職しての『試練』克服方法
45歳で未経験職種に転職して3年目。振り返ると、それなりの『試練』がありました。それらを何とか乗り越え、今があります。最後に、それらの試練をどう乗り越えたか、今も現在進行形で乗り越えているか、3つのポイントにまとめて書いてみたいと思います。
1.年下上司との付き合いは人間性を磨くチャンス
40代以上の転職で一番多いのが、この問題ではないでしょうか。「上司が年下」。
これは、もう、色々あっても「職場での先輩」ということで、まずは立てるのが一番利口です。
逆立ちしたって、今時点での経験年数をひっくり返すことはできないんです。あなたが前職でどんなに大きな仕事をしたとしても、部下が何人もいる管理職だったとしても、関係ありません。新しい職場では、ぐっと我慢。仕事を覚え、一人前になり、自分の強みを生かした仕事ができるようになるまでは、辛抱です。
もしかしたら、その年下上司は、あなたにタメ口で話すかもしれません。上司とはいえ、10年も下の人にタメ口で話されるのは、気分のいいものではないですよね。こちらは敬語で話しているのに。
そんな時、私は、その人の人間性だと思うようにしました。というのは、きちんとした人は、年下であろうが、部下であろうが、学生であろうが、相手を一人前の人と思うならば、敬語を使うということを、これまで沢山の人と接する中で学んできたからです。
言い方を変えれば、ただ入社が遅いというだけで部下になった年上の人にタメ口をきく上司は、それなりの人間性でしかない、ということ。残念ながら、その人は「立場」でしかものを見られない、人間としての教養はあまり豊かではない人なんだと思います。
だから、そんな人にタメ口をきかれたところで、あなたの価値が下がるわけじゃないので、気にしないことです。むしろ、そんな年下上司のタメ口という「試練」を与えてくれた上司に感謝し、人間性を磨くチャンスにすることです。そして、あなたは、これから入って来る後輩に、年下であれ年上であれ、敬語を使って話すことです。
私も、10歳も年下の上司にタメ口をきかれて、あんまりいい気持ちはしていません。でも、これがこの上司の人間性だから仕方がない、と割り切ったら随分楽になりました。そんな上司のタメ口にムカついているより、しっかりと仕事を覚えて結果を出し、自分のやり方でできるよう取り組むほうがよほど建設的です。
会社には、序列みたいなものがあるので、その年下上司を飛び越えていくことはできないかもしれません。でも、自分なりのやり方で仕事ができるようになる、というだけで随分楽になるものです。
また、会社にもよりますが、もし、どうしても社内では在籍年数が優先されてステップアップが難しいということならば、次に書く将来の描き方も合わせて考えて、どんなふうに仕事に取り組むか、自分で考えてみることも大切です。
2.45歳で転職してからの将来の描き方~自分がハッピーなら負けてない!
40代半ばで転職した場合、会社によっては、平社員から管理職へのステップアップは非常に難しいかもしれません。
というのは、40代半ばから50代にかけて、役職定年をもうけている会社もありますし、ただでさえ上に行けば行くほど、管理職になれる人数は減っていくからです。
じゃ、どうするか。
もう、45歳で未経験職種に転職したっていうだけで、普通の出世レースからも、出世レールからも外れているんです。そんなところで出世できないと嘆くだけ無駄です。
自分のキャリア全体でみたら、45歳で未経験職種に転職できただけで、すごいんです(笑)
あなたの回りに、そんなにたくさんいますか?
40代半ばになって、ちゃんと転職できた人。
だから、40代半ばで転職して、新たなキャリアを築いている自分を、自分で評価して、自分のキャリアを自分でデザインしていけばいいんです。
例えば、定年退職までは働こう、そのあとは、NPO法人を立ち上げて専門を生かしたボランティア活動をしよう、とか。そうすれば、その将来に向けて、今何をしていけばいいか、見えてきますよね。
45歳というのは、そんなに年寄りではないけれど、でもやはり、勤め人としてみてみると、定年退職から逆算すれば、もう、会社員後半組です。だから、ゴールから逆算して、自分のやりたいことをやっていくにはどうすればいいか、徹底的に自分中心に考えましょう。
私は、定年退職前後にやりたいことがあり、そのために、大学院で修士を取ることにしました。今の仕事をつづけながら、放送大学大学院を修了して、修士を取るのです。
また、幸いこの仕事は、資格取得など学ぶことがプラスになることが多いので、いくつかの資格にチャレンジもしています。
また、世界を広げるためにボランティア活動もしたいと思っています。
それら全てを、定年退職後にやりたい、あることに結び付けていくつもりです。
こんなふうに、「会社員」としてみたら、中途半端かもしれません。でも、会社員としての出世を描くのが難しい場合は、そこを越えたオリジナルの夢を持てばいいのです。
むしろ、そういう、あなただけのオリジナリティにあふれた夢の方が、ワクワクしませんか?
会社員としては平社員かもしれない。でも、あなたがハッピーなら、それでいいんだと思います。それで、負けてない。45歳からは、大逆転を狙わなくても「負けない」だけで大成功。
このブログは、そんな思いで始めたのですが、まさにそのまんまでOK。
40代で転職してから、目覚ましい出世ができなくても大丈夫。
あなたがハッピーだと思う将来を描いて、そこに近づいていきましょう。
3.45歳からの転職後は「あおいくま」で行こう!
「あおいくま」って知っていますか?私が初めて聞いたのは、ものまねタレントのコロッケがご自分のお母さまについて書いたエッセイ「母さんの『あおいくま』」で。
これ、大変奥の深い人生訓なんです。
あせるな
おこるな
いばるな
くさるな
まけるな
頭の文字をとって、「あおいくま」。
すごい真理だな~と思うんです。
悔しいことがあっても、思うようにいかないことがあっても、「あおいくま」。
私は、次のように自分でアレンジして、うまくいかないことがあったとき、自分に言い聞かせています。
あ:あせらない
お:おこらない
い:いじけない、いじめない、いばらない
く:くさらない
ま:まけない
「あおいくま」で、自分を信じていけば、絶対に自分の思うような人生が送れます。
45歳からの転職だって、焦らないこと。くさらないこと。
思うようにいかないことがあっても、怒らないこと、いじけないこと。まけないこと。
そして、だれのことも、いじめないこと。
40代半ばで転職できたってだけで、すごいこと。だから、せっかくのチャンス、生かしていきましょう。
縁あって最後まで読んでくださったあなたの幸運を祈っています。一緒に頑張りましょう!
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